国の重要無形文化財に指定される、日本が誇る最高峰の夏織物、宮古上布。
宮古上布は、原料となる苧麻(ちょま)は、繊維を手で裂き、一本一本手績みによって繋ぎ合わせていくという気の遠くなるような作業から始まります。この「手績み糸」こそが宮古上布の最大の特徴であり、均一でなめらかな糸質は熟練の技術なしには成り立ちません。
その糸に手括りによる防染を施し、琉球藍などの天然染料で染め上げます。絣模様を精緻に合わせて織り上げるには、極めて高度な技術と集中力が求められます。織り上がった反物は、さらに木槌で約3時間も叩き続ける「砧打ち」を施すことで、独特の光沢としなやかさが生まれます。
こうして膨大な人の手間暇をかけて生まれる宮古上布は、苧麻特有のシャリ感と通気性・吸湿性に優れた清涼感を持ち、汗ばむ季節でもさらりと心地よく身を包みます。製作には半年以上を要するだけではなく、近年は作り手も減少も続いているため、その希少性は高まる一方です。
こちらは、目を凝らさないと分からない程の緻密な蚊絣を全面に織り出し、繊細なラインの立涌文がすっと浮かび上がる、凛とした佇まいのお品です。琉球藍による深みのある濃紺に、長襦袢の白が透ける様には、言葉では言い表せない美しさと涼感が宿ります。
夏の装いに、静かな格と凛とした美しさを添えてくれる本場宮古上布。唯一無二の風合いと、手仕事の力強さを、ぜひお手に取ってご堪能ください。
帯はこちら:本麻 粗紗 捩り織 手織 夏八寸名古屋帯 [未使用品]
※こちらは証紙・反端は付属しません。風合いから本場宮古上布と判断しております。
※モデル着用画像は色味がやや異なって見えます。商品画像が実物に近いお色味です。(モデル身長165cm)
本場宮古上布 立涌文 蚊絣 身丈157 裄63.5
[寸法]
身丈(肩山から) / 157cm
裄丈 / 63.5cm
袖丈 / 49cm
前幅 / 25cm
後幅 / 28.8cm
[縫こみ(お直しできる寸法)]
身丈 / 6cm裄丈 / 5cm
袖丈 / 1cm
[素材]
表地 / 苧麻衿裏 / 麻
[色]
深い濃紺[商品の状態]
広衿傷汚れの無い、とても良いコンディションです。
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