七宝繋ぎの文様が浮かび上がる、南部しぼり茜染の名古屋帯。紫根染めでも知られる、草紫堂さんによるお品です。
茜染は、古来より赤の染料として用いられてきた茜草の根を用い、幾度もの染め重ねによって奥行きある色調を生み出す、伝統の草木染。かつて南部藩の庇護のもとで育まれ、昭和初期に再興されたこの技法は、今も変わらぬ手仕事によって守り継がれています。
染料は茜の根を臼で搗き、熱湯で抽出・濾過。その染液に、検査を終えた反物を1時間ごとに12回漬け込み、丁寧に色を吸着させていきます。さらに仕上げの後、反物は3〜5年にわたり箪笥などで静置（寝かし）され、ようやく本来の南部の色が立ち現れるとされています。
染料の調整から絞り、染色、仕上げ、そして寝かしに至るまで、すべての工程を一貫して手作業で行う、現代では極めて稀少な染色技術です。
こちらは、絹糸の生成り地を背景に、茜草の根で染められた緋色の濃淡で七宝繋ぎ文を表現したお品。ひとつひとつ手で括られた絞りが、円を重ねる七宝をやわらかく描き出しています。茜染めならではの温かみある緋色が、生成りの地にふんわりと浮かび、滲みやゆらぎがやさしい表情を添えています。
茜の色を控えめに、生成り色を基調とした意匠は、さまざまなお着物と調和してくれるかと思います。木綿や紬のお着物と合わせて。日々の装いに、小さなときめきを添えてくれる一本です。
南部しぼりならではの美しさと工芸美を、ぜひお手元に取ってご堪能ください。
着物はこちら：東郷織物製 綿さつま 万筋 証紙付き [仕付け糸付き未使用品] 身丈168.5 裄68
※こちらは証紙・反端は付属しません。風合いから草紫堂さんのお品と判断しております。※モデル着用画像は色味がやや異なって見えます。商品画像が実物に近いお色味です。
草紫堂 南部しぼり 茜染 七宝繋ぎ文 正絹地 名古屋帯
[寸法]
太鼓全長 / 112cm
太鼓幅 / 30.4cm
前部分全長 / 256cm
前部分幅 / 15.4cm[素材]
正絹[色]
生成り色・緋色の濃淡 (参照：和色大辞典)[商品の状態]
着用感の無い、とても良いコンディションです。
※撮影のためにモデルが短時間着用しております。
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